Story 01 | デザインと雑貨店

はじめまして。
岡山県で、デザインとオリジナル雑貨の制作をしている「彗星舎」のオノ チハルといいます。
デザイナーとしてクライアント様のロゴやフライヤーなどを制作したり、
本や雑貨をつくって、イベントに出店したりしています。
デザインと、雑貨店。
ふたつは遠いようで、わたしの中では、はじめからとても近い場所にありました。
「美大を出て、ずっとデザインをやっているの?」
「どうして雑貨をつくっているの?」
「デザインもやっている人なの?」
よく聞かれます。だから、少しだけここに残しておこうと思います。
わたしは、ずっと、本当に好きなことからは逃げていました。
頑張ったことや、本気で好きなものを否定されるのが怖かったから。
「デザインは趣味の範囲でいい」「失敗したくない」。そうやって自分に予防線を張っていました。
それでも、旅先で好みのショップカードをこっそり持ち帰ったり、部活の勧誘チラシを夢中で作ったり。
私の日常のどこかには、いつもデザインがありました。
でも「デザイナーは、選ばれた特別な人がなるもの。私なんて。
職業にするなんて、思い浮かびもしませんでした。
星空が好きになったのは、中学生の頃に出会った音楽がきっかけです。
その人は、星や星座の言葉を借りながら、「生きること」や「弱さ」「優しさ」「勇気」のようなものを歌っていました。
本当の夜空よりも、誰かの心が映し出された概念としての星空。
私が惹かれていたのは、きっとそっちでした。
だからなのか、市販の「★」マークが並んだ雑貨には、なぜか心が惹かれませんでした。
雑貨屋さん巡りが好きで、休日になると自分好みの店を探してどこへでも足を運んでいたけれど、私が求めている「静かな星の雑貨」には、どこへ行っても出会えませんでした。
青いカーペット、グレーのカーテン、ウォールナットの棚。
好きなものだけに囲まれているときが、一番心が安らぐ。
「自分が好きなものだけに囲まれた雑貨店を開けたら、どれだけ幸せだろう。」
そして「いつか、自分の手で雑貨をつくってみたい。」
絵を描くことは好きだったけれど、星空を描いたことはなくて。
周りに上手い人なんていっぱいいる。
自信のなさから、自分の絵を商品にするなんて発想すらありませんでした。
おしゃれな英字が印字されたマグカップなら、きっとすぐに作れた。
でも、そんなものが100円ショップで手に入る時代。
それなら私がつくれるものって、意味って、なんだろう。
ずっと、そう思っていました。
