お守り帖 Story.1 ペンのお守り

素敵な言葉をスラスラと紡ぐ彼女には、

書くことに対しての悩みはないのだと思っていた。

「届かない、伝わらない、返ってこないことの方が多い」

いつか、彼女と話していた時そんなことを溢していた。

どんな思いで書いているのだろう。

人は伝わるか分からないものを、それでも紡ぐときがある。

書きたい衝動に駆られて、形にする。

そこから生まれたものはあなたしか書けないもの。

伝わったときの喜びを噛み締めて、

筆を取り、書き続けていく、

わたしのお守り。